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二つの交響的断章

 今日、ご紹介するのは、ヴァーツラフ・ネリベル作曲の『二つの交響的断章』です。

  まず、作曲家のネリベルを紹介します。
  ヴァーツラフ・ネリベル(1919~1996)は、チェコ生まれの作曲家で、渡米した後は吹奏楽に魅せられ、多くの吹奏楽曲を残しています。 
 ネリベルの曲は、現代的な音楽性の中に伝統的な西洋音楽の技法を独自の感覚で取り入れ、強烈な独創性を放ちます。曲全体を支配する圧倒的な緊張感と、シャープなサウンドは聴くものに強烈な印象を残し、熱狂的な支持者の多い作曲家です。 
 
 今回演奏する、この『二つの交響的断章』は、このネリベルの代表作で、タイトルの通り、性格の異なる2つの楽章からなります。 
 全曲を通して、この曲には、重要な4つの音があります。 
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(レ)、(ラ)、(ファ)、Bb(シ♭)
この4つの音の動きがこの曲の基本モチーフとなります。 

第1楽章 Marcato(マルカート・強調)
  鍵盤打楽器の基本モチーフ(D-A-F-Bb)の繰り返しから始まります。
 (ゆっくりだと『夜明けのスキャット』にも聞こえます。) 
 その裏で金管楽器の和音が重なっていき、一気に高揚し、重厚な全合奏が出現します。 
 その後、コントラバスクラリネットをはじめとする基本モチーフ(D-A-F-Bb)の鳴り響くなか、木管楽器のソロ(フルート・クラリネット・サックス)が絡み合い、ダブルリードのどこか長閑な歌が流れ、コラール(聖歌)風の主題が挟まれ、最後は消え入るように終わります。

 第2楽章 Allegro impetuoso(アレグロ・インペトゥオーソ・速く激しく) 
 ティンパニの力強い独奏から始まり、金管群がそれに応えます。
Tbのソリから始まり、第1楽章とは対照的なスピード感の中で収縮と拡大を繰り返し、冒頭の主題が多層的な響きの中で再現されると、叩きつけるように終わります。

全曲をとおして
 楽譜の指示が細やかで、パーカッションのマレットの硬さにも、hh(とても硬い)、h(硬い)、m(中間)、s(柔らかい)、ss(とても柔らかい)と指示があり、緻密に計算されたネリベルの強いこだわりが感じられます。 

今回の定期演奏会では、この曲も全曲演奏します。
吹奏楽ではファンの多い曲ですが、全曲演奏することはなかなかありません。
ぜひ、足をお運びいただきお聴きいただきたいです。

クレールウインドオーケストラ 第17回定期演奏会
日時:平成26年5月24日(土)
    5時開場 6時開演 (ウェルカム演奏があります。)
場所:三沢市公会堂大ホール
指揮:(当団常任指揮)秋元 辰一
入場料無料!
1部 ・○○
   ・「二つの交響的断章」全曲(ヴァーツラフ・ネリベル)
   ・□□
2部 ・☆☆
   ・「ぐるりよざ」全曲(伊藤 康英)
    
これで定期演奏会の2曲が公開されました。
あと3曲、少しずつ公開していきたいと思います。

それから、直近のクレール情報!
4月19日(土)11:30~15:00くらい
イオンモール下田にクレールが出没します!

今日もクレウィン見てくださってありがとうございました。
でめでした。056.gif

by isseiy2k | 2014-04-16 21:38 | 演奏会