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吹奏楽のための交響詩 『ぐるりよざ』

今回の定期演奏会で全曲演奏することになった、名曲「ぐるりよざ」
若い団員は知らなかったりするので、団員のために、そして演奏会にいらっしゃる皆さんのためにちょっと紹介しようと思います。ほぼ引用です。すみません。<(_ _)>

長崎県生月島(いきつきしま)【現:平戸市生月町】
 生月島では16世紀に領主の籠手田(こてだ)氏がキリスト教に入信したため、島民のほとんどがキリシタンになった。その後禁教令が敷かれると、厳しい弾圧、処刑が行われ、一転して 殉教の島となったが、それでも信者達は信仰を守り潜伏キリシタンや隠れキリシタンとなり、 各種の行事や口伝オラショ、納戸神など当時の信仰を今に伝えている。
 作曲者である伊藤康英さんは、海上自衛隊佐世保音楽隊の委嘱を受け、この生月島の隠れキリシタン文化に着想を得て彼らによって歌い継がれた音楽を使って曲を作成した。
 題名の「ぐるりよざ」は、長崎生月島に伝わるキリスト教の聖歌"Gloriosa"が訛った言葉である。

第1楽章 「祈り(Oratio)」
 
 島の人々が今でも歌い続けている祈りの歌に「歌オラショ」がある。
「オラショ」はラテン語の「オラシオ "Oratio"」に由来するもので「祈り」や「祈祷」と訳され、そのなかのひとつに『ぐるりよざ』がある。

 【ぐるりよざ 6分30秒~】

 1975年に音楽学者の皆川達夫さんがこの島を訪れ、オラショを聴いた時にラテン語との共通点に興味を抱き、その原点を何年にもわたって苦労して研究し続けた結果、遂に原典である楽譜を見つけることが出来たそうです。

(『オラショとグレゴリオ聖歌とわたくし』より 皆川達夫)
 イギリス、フランス、ポルトガル、イタリア、とくにローマのヴァティカン図書館などと探しまわって、やっと7年目の1982年(昭和57年)に、スペインのマドリッドの図書館のカードにそれらしい聖歌集を見つけだすことが出来た。司書に請求した書が手元におかれたその時、体がふるえてきた。これに相違ないと直感したのである。
ふるえる手で1ページ、1べージ開いてゆく。――「あった、あった。これだ、これだ」。
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 まぎれもなく生月島の歌オラショ『ぐるりよざ』の原曲となった聖歌『オ・グロリオザ・ドミナ O gloriosa Domina (栄光の聖母よ)』、夢にまで見たそのマリア賛歌の楽譜が記されていたのである。
 それは、現在なお世界中に流布している標準的な聖歌ではなく、16世紀のスペインの一地方だけで歌われていた特殊なローカル聖歌であった。それが、400年前にこの地域出身の宣教師によって日本の離れ小島にもたらされ、はげしい弾圧の嵐のもとで隠れキリシタンによって命をかけて歌いつがれて、今日に至ったのである。
 この厳粛な事実を知った瞬間、わたくしは言いしれぬ感動にとらえられ、思わずスペインの図書館の一室で立ちすくんでしまったのであった。

 


第2楽章 「唄(Cantus)」

生月島のキリシタンに歌い継がれてきた「さんじゅあん様のうた」を元にしている。

「さん・じゅあん様の歌」

 あー前はな前は泉水やなあ
後ろは高き岩なるやな
前も後ろも潮であかするやなあ
 
あーこの春はな この春はな
櫻な花かや 散るじるやなあ
また来る春はなあ 蕾(つぼむ)開くる花であるぞやなあ




第3楽章 「祭り(Dies Festus)」

対馬蒙古太鼓のリズムにのって、「長崎ぶらぶら節」が現れる。 
これは、「長崎くんち」で必ずきかれる有名な民謡。

楽章後半では、この民謡と聖歌(第一楽章)が、モティーフ的に統一を図るために若干変形して出現し、フーガが形成される。


いかがでしょうか?
楽譜を見ている私たちはハッ!(゚o゚)と思う事がたくさんあるのですが、「ぐるりよざ」を聞いたことのない方には何の話かわかりませんよね?
この曲を全曲やるのもなかなかありません。是非、クレールの定期演奏会で名曲「ぐるりよざ」を聴いてみてください。

クレールウインドオーケストラ 第17回定期演奏会
日時:平成26年5月24日(土)
    5時開場 6時開演 (ウェルカム演奏があります。)
場所:三沢市公会堂大ホール
指揮:(当団常任指揮)秋元 辰一
入場料無料!
1部 ・○○
   ・△△
   ・□□
2部 ・☆☆
   ・「ぐるりよざ」全曲
    

年度初めのバタバタで、久しぶりの投稿でしたが、これから少しずつ曲目など紹介していきたいと思います。
長文最後まで見ていただいてありがとうございました。
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by isseiy2k | 2014-04-10 18:44 | 演奏会